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カースポット丸亀原田

50年の歳月

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いつものように仕事をしておりますと、

中古車丸亀店の道の向かいに何か見えるんですよね。

決してオデッセイの事ではありませんよ、その向こう側です。

スバル中古車丸亀店の向かいにスバル360がいたんです!

もう50年も前の車です、そりゃもう興奮しました。

でもこの場所、スバルの敷地じゃないんです。

ですので、土地の所有者の許可を得てスバル360を見せてもらいました。

こんな間近に見る事ができるなんてめったに無い機会です。

 

 

なぜか軽トラックの荷台に乗せられたスバル360。

旧規格の軽トラックの荷台に乗ってしまうコンパクトさに驚きます。

50年前とは思えないかわいいデザインと相まって、小ささが引き立ちます。

 

 

車のフロント側は底を見る事ができました。

開発に苦労した逸話が残るねじり棒バネはこのように配置されていたんですね。

とてもシンプルな構造ですが、当時としては良い乗り心地を実現していた点に

技術者魂を感じます。

 

 

キュートな丸いヘッドライトはこの透明感!

ガラス製なので約50年の歳月が経っても黄色くならないのが素晴らしいなと思います。

現在発売している新車はヘッドライトが樹脂製なので、

年数が経つと黄色く劣化してしまいますが、ガラスならその心配はありません。

軽量化や歩行者保護、コストなどの点からガラスの採用はもう難しいんでしょうか?

 

 

タイヤもホイールも現在の規格とは違います。

聞くところによるとホイールでタイヤを挟み込むような構造らしいです。

この辺りは全く無知ですので詳しい方教えてください。

 

 

タイヤの製造は1966年のようです。

約50年前のタイヤなのにひび割れでビッシリ!ではないのはどういう事でしょうか?

車庫の中にあったんでしょうか?それとも素材が違う?

ちなみにタイヤの大きさは10インチ。

今の軽自動車は小さくても13インチですので、その小ささに驚きます。

 

 

メッキが施されたバンパーがとてもおしゃれ。

でもさすがに年月が経過してサビや穴あきが見られます。

バンパーの真ん中にあるのがナンバープレートを取り付ける台座です。

現在のナンバープレートと比べるとかなり小さいナンバーです。

 

 

ボンネット中央にあるスバルマークは現在のものと大きく違いますが、

六連星である事は変わりません。

時代は変わっても、大切なものは受け継がれています。

 

 

 フェンダーに取り付けられたサイドミラー。

真ん丸でめちゃおしゃれ。

フチが無いのも斬新です。

もちろん手動で向きを調整するタイプなんですが、

そこがかえって愛着がわくと思います。

 

 

今の車にはない美しい曲線を持ったボディライン。

ドアは2枚なんですが、このドアが逆開きタイプ。

ドアヒンジがドア後方に付いており、ドアを開くと前方が大きく開く構造です。

とても斬新ですが、小さなボディで最大限の乗り降りのしやすさを

考えて採用されたのではないかと想像しています。

 

 

オープンカーではないんですが屋根がありません。

樹脂製の屋根を採用しているので、残念ながらどこかで外れてしまったのかと思います。

樹脂製の屋根という「車は鉄」の概念を打ち破る考えに、

開発には困難があったのではないかと思います。

 

 

車検は昭和54年で切れています。

昭和54年・・・37年前!!

 西城秀樹の時代だ。

 

 

内装は傷みが激しいのですが、とてもおしゃれな事に気付きます。

ハンドルのスポークの細さ、メーターの形、ラジオのデザインなど、

至る所に目を奪われます。

センスの塊のようです。

 

 

 

ダッシュボードに貼り付けられたエンブレムやボディデザインから、

グレードは「デラックス」で間違いなさそうです。

スバル360の変遷はこちらのサイトを見ると非常に分かりやすいです。

 

 

とても小ぶりなシフトノブ。

現在の一般的なシフトパターンと比べるとバックギアの位置が違います。

3速MTだったんですね!

小さなエンジンの力をどう使うのか考えながら走るのではないかと思うのですが、

それが「対話しながら走る」を実感できるんだと思います。

 

 

運転席側のダッシュボードに貼られたシールには、

「乗り始めて間もない頃は1〜3速でこのスピードで走ってね。

でも慣らしが終わったらこのスピードでも大丈夫ですよ。」

みたいな事が書かれていました。

こんなの知らなかった。

 

 

 ダッシュボード真ん中付近にはスイッチがいくつかありました。

ヘッドライトとワイパーと、その下にある「S」のスイッチは

一体何でしょうね??

ダッシュボード上面のメガネケースみたいな部分は、

エアコンが無い車ですのでベンチレーター(風を外から取り込む部分)

ではないかと思います。

 

 

ほかにも見所に満ち溢れたスバル360ですが、

この車の置き場所が私有地ですので歩道から見てください。

また、この写真のように微妙なバランスの上に乗っているため、

 

 

夕方にはバランスを崩して落ちていましたのでとても危険です。

近寄って見たい気持ちをぐっと抑えて歩道から見学してみてください。

歴史を乗り越えた貴重な1台はいつまでここにあるか分かりませんので、

中古車丸亀店にご来店の際にはちょっと足を伸ばして

スバル360を見てみませんか?

「そうそう、これ、これに乗っていたんだよ」等々

きっと「見てよかった!」と感じると思います。